【クラッチワーク】クラッチレバーのストロークを体得する

clutch lever

クラッチレバーはその短いストロークの中に、実質的な機能はしない「遊び」の部分があり、その次にクラッチユニット内のプレッシャープレートを押し始める、要はクラッチを滑らせる最初の部分があります。そして完全にクラッチが切れる箇所、続いてユニット内の各プレートの隙間を大きく出来る箇所、という順になります。

 

この短いストロークの中にこれだけのコントロール内容があるのを、愛車のクラッチレバーを握りながら再認識しておきたいもの。また、人間の手は同じストロークをするのでも、レバーを握り込む動作と離していく動作とでは、自分にとって扱いやすいポイントは違っています。

 

意識してあらためてクラッチレバーを握ってみますと、限られたストローク間で操作内容の微妙な違いがいくつもあることが分かります。ですからこれを、効率良く要所を押さえたコントロールに活かすべきなのです。

 

そのひとつが、停車している時のクラッチレバーの握り具合と、ギヤチェンジのときとの違いです。最も多い湿式多板タイプのクラッチを例にすると、停車時は、浸っているオイルの流体特性もあって、しっかり最後までレバーを握り込まないと“ひきずり”状態を起こしやすくなります。

 

一方、ギヤチェンジは、バイクが走り出しさえすればこの程度の“ひきずり”はほぼ関係ありません。そこまでシビアに考えずとも、ギヤチェンジ時のクラッチのストロークはいっぱいまで握り込む必要はなく、これを知っているだけでも左手の疲れ方は圧倒的に違ってくるのです。

 

ギヤチェンジのベーシックなコツは、クラッチレバーを軽く内側に引き寄せる程度で、リズミカルにレバーを離すことに尽きます。

 

→ ポイント

目標は、クイックなクラッチレバー操作と、スムーズな半クラッチとギヤチェンジによる流麗なクラッチワーク。これが結果的に安定したトラクションを間断なく与えることになり、意のままに走るには欠かせない要素のひとつになるわけです。

 

 

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