ライテクのノウハウ

私たちバイク乗りは誤解しがちですが、ワインディングもサーキットもスムーズに走らせるという意味においては、なにも異なるテクニックがあるわけではありません。突き詰めていくと結局同じテクニックが必要とされています。ただし、やはりリスクの大小の差はあります。サーキットでの力の加減を「10」だとすれば、バイクを操作する方法は同じでも、ワインディングではそれを「8」に、あるいは「7」にと、状況に応じて最適なマージンを取ります。そう、リスクを回避できる可能性を高めることが重要なんですね。そして、たくさんの危険をはらんでいるのがワインディング、つまり一般公道です。

 

ここではフルブレーキ、フル加速など、とにかく“フル”というモーションは避けます。特にネイキッドバイクはそもそもの設定荷重が低いため、無理のある走りでリスキーなところまで追い込まなくても十分に楽しめるはずです。

 

一般的に経験を重ねていくと自然に、ある程度のライディングテクニックが身についていくものですが、もう一つ意識しておいた方がいいものがあります。それは非現実的な、いわゆる“第六感”というものです。昔から虫の知らせと呼ばれているやつですね。

 

「次のコーナーはどんなRを描いているのか」。ワインディングを走りこんでいくと、そのコーナーを抜けたところに何があるのか大体察しがつくようになります。これは純粋に経験値を積み重ねていくことで感覚的に身につくものです。また走りながら、なんとも言えない胸騒ぎを覚えた。そんな経験をしたライダーもきっといるのではないでしょうか。こういう時は別の角度から物事を見れば、自分の感覚が研ぎ澄まされている瞬間だとも言えます。誰でも気のせいだと一蹴することは簡単ですが、そこでアクセルを緩めることでリスクを回避出来るとすれば、その気持ちに素直に従うべきは言うまでもありませんね。峠でのライディングは無事に楽しむことが最も優れたテクニックだということをお忘れなく。

 

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