【ブレーキング】バランスコントロールを司るリアブレーキ
一般的に、アメリカン系バイクを除くスポーツ・ネイキッド系などほとんどの車両はフロントブレーキの使用がメインになってきます。しかしその逆に、ホースバック・ライディングスタイルと呼ばれる馬に跨ったかの姿勢で走るアメリカン系バイクは、主にリアブレーキにウェイトが置かれます。
このようにバイク全体の市場で見ると、アメリカン系バイクの割合はわずかですから、リアブレーキよりもフロントブレーキにポイントが置かれる場合が多くなります。そのためこのリアブレーキは、自然とブレーキコントロールでの基点になることもないわけですね。とは言え、低速域や雨天時の路面などウェットコンディションでのバランスコントロールでは効果を発揮。例えば、信号で停車する時にフロントとリアブレーキの両方でそれぞれ試してみてください。きっとフロントよりもリアブレーキで停止した時の方が安定したはずです。また、コーナーを走行中に曲がりきれないと判断してバイクがバンクしている状態でフロントブレーキをかけたとします。すると転倒、もしくはバイクがバンク状態から起き上がってしまいそのまま曲がりきれず対向車線にはみ出てしまう危険があります。しかしそこでリアブレーキを使えばバイクが起きることもなく、安定感をプラスした状態でコーナーをやり過ごすことが出来るわけです。リアブレーキは車体のバランスコントロールに最適ですので、是非用途に応じた使用をマスターしましょう。
リアブレーキはフロントブレーキと違って、その効きを与える時には足の裏を使うということもあって感触としてはどうしても鈍くなります。しかしそこでラフな操作をすることは厳禁。何か物を踏ん付ける行為というのは、その都度気を付けなければラフになりやすいものです。そこでステップに足を置いた際に必ず土踏まずを支点にして、足首がシーソーのような動きでブレーキペダルを踏めるようにします。こうすることで急激な力の入ることのない、安定感を加えたバランスコントロールが可能になります。
→ ポイント
ステップに足を置き、土踏まずを支点にして足首をシーソーのように動かして踏みます。つま先だけで下に踏み込もうとしないのがコツです。
つま先だけを使って、もっと強く踏み込もうとしている場合に多いケースです。この時足首を前に伸ばすような形で力を入れますので、ステップから土踏まずが離れて浮き気味になってしまいます。これではとても踏む力の加減など出来ませんし、結果的に簡単にフルロックしてしまいます。
つま先も含めて足首全体を使って、ブレーキペダルのみでなくステップごと下に押し付けるライダーもいます。一般的に、元々フロントブレーキに比べて強くは効かないリアブレーキですが、もっと強く踏み込めばきっと効くだろう、と思って勢いよく踏むと突然スリップ。そんなことにもなりやすいので要注意。
◆【初心者】他のポイントも合わせてご覧ください◆
◇ 【初心者】トップ
◇ 【シフトチェンジ】ギヤチェンジで押さえたいポイント
◇ 【シフトチェンジ】速度に応じたギヤをホールドする
◇ 【シフトチェンジ】エンジン性能曲線でパワーバンドをチェック
◇ 【シフトチェンジ】ギヤチェンジする時間は最小限に
◇ 【シフトチェンジ】操作は「意識する」だけで顕著に変化
◇ 【シフトチェンジ】ドッグクラッチのスライドでシフトチェンジは行われる
◇ 【シフトチェンジ】停車中に入りにくいローギヤの対処法
◇ 【シフトチェンジ】クラッチを使わないシフトアップを実践
◇ 【シフトチェンジ】シフトダウンはエンジン回転を調整
◇ 【シフトチェンジ】シフトダウンは空吹かしで回転数を調整
◇ 【ブレーキング】ディスクブレーキは最初強く、最後弱く
◇ 【ブレーキング】比率は「前輪7:後輪3」が基本
◇ 【ブレーキング】バランスコントロールを司るリアブレーキ
◇ 【ブレーキング】良し悪しはリリースコントロールで決まる
◇ 【ブレーキング】減速Gには身体全体を使い対応する
◇ 【ブレーキング】制動力の短縮は、安定したグリップにあり
◇ 【ブレーキング】コツは、ブレーキ圧の入力加減
◇ 【低速ターン】タイトなターンは車体で蛇角をつける
◇ 【低速ターン】バイクの進路は後輪側でコントロール
◇ 【低速ターン】後輪へのトラクションで車体バランスを調整
◇ 【低速ターン】アクセルワークを駆使してバランスを保つ
◇ 【低速ターン】Uターンは前輪操作とトラクションに配慮する
Trackback URL