【シフトチェンジ】ドッグクラッチのスライドでシフトチェンジは行われる
エンジン同様に主要な中枢部であるバイクのミッションは、常時噛合式(コンスタントメッシュ)という名前の構造で、その名の通り、常にギヤが噛み合う仕組みになっています。
ミッション内ではどういうメカニズムでギヤチェンジされていくのか。それを知っていると、ギヤ操作のポイントを掴むのに効果的です。このほぼ全てのバイクに採用される常時噛合式のミッションは、メカニズム的にはシンプル。しかし、ギヤシフトの仕組みと一連の動きを把握するには少し難しく感じるかもしれません。
まずイラストのように、それが6速ミッションであれば6組のギヤが常に噛み合った状態にあります。そしてこの中に、
1.回転軸に対してフリーのギヤ
2.回転軸に対して左右へ移動して、その回転軸と同回転するギヤ
3.回転軸に固定されたギヤ
の3種類があります。
また、固定されたギヤ以外には、ドッグクラッチと呼ばれる物が側面にセットされています。
ギヤチェンジは上記【2】の、左右へ移動できるギヤを、シフトフォークと呼ばれるギヤセレクターを使って横にスライドさせて行います。
その横へ移動したギヤの次の動きです。サイドにセットされたドッグクラッチが、となりのフリーの回転軸ギヤのドッグクラッチへ飛び込むカタチで噛み込んで、駆動力を伝えるわけです。
要するにギヤチェンジは、シフトフォークを使い、「常に噛み合っているギヤの、いずれかの組み合わせを選んで駆動力を伝えるペアを作り、回転軸へロックさせる」。そういう構造なのです。
一方、そのどれもロックされていない状態がニュートラルです。この時は全てがフリーな状況ですので、当然クラッチ側のメインアクスルの回転はドライブチェーン側のドライブアクスルには伝わりません。
ギヤ操作のキーポイントは、ドッグクラッチ。これは駆動力の伝わるギヤを、回転軸にロックする役割でしたね。このドッグクラッチが横方向に小さなスライドをすることが「ギヤシフト」というわけです。
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