【シフトチェンジ】停車中に入りにくいローギヤの対処法
ギヤの側面にセットされたドッグクラッチ。これは駆動力の伝わるギヤを回転軸にロックする役割でしたね。このドッグクラッチは駆動力が加わることと、スライドして噛み合うときの衝撃を考慮して大きなボス(凸状の隆起部分)やホール(凹状の窪み)の設計になっています。
走行中であれば、ミッションはクラッチ側とドライブチェーン側共に回転しています。ですから、このドッグクラッチがちょうど噛み合うタイミングは絶えずあるわけです。
でも、これが停車中となれば話は変わります。後輪が停まっている状態であれば当然ドライブチェーン側のドライブアクスルも回転しません。
そこで稀に、ニュートラルからローギヤへギヤをシフトしようとしても、ドッグクラッチが噛み合わないケースが出てくることがあります。
多くのライダーは経験したことがあるでしょうが、そういう時は跨ったままバイクを前後に揺らすように動かして、後輪をわずかに回してあげます。するとドッグクラッチの噛み合うポイントへドライブアクスルが回転し、たやすくローギヤへシフト出来るのです。
エンジンが停まっている時に、ギヤが入った状態のものをニュートラルに戻そうという場合も同じです。跨ったまま、あるいは左右のハンドルを握ってバイク脇に立ち、バイクを前後にゆっくりと動かしながら、シフトペダルに足を当てたままその都度コツッコツッと探るようにシフトします。すると、噛み込むタイミングですんなりギヤシフトできます。このようにミッション内の構造を把握していれば、どんな時でも無理せずコツを押さえたスムーズなギヤシフトが可能なわけです。
→ ポイント
停車中のギヤ操作はミッションの構造上、すんなりとギヤが入らない場合もあります。ドッグクラッチが噛み込まないタイミングにある場合、ほとんどの場合いくら強くシフトペダルを動かしても全く意味がありません。でも、ここでミッション内の構造を把握していれば、慌てることなくバイクを前後に少しだけ動かせばOKだということが判断できます。もしここで、無理に何とかしようとシフトペダルを強く扱うとシフトドラムを回転させるアームやシフトフォークを損傷させる危険もあります。この操作は知っているだけでメリットが大きく、ちょっとしたコツのみなので是非会得しましょう。
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