【クラッチワーク】湿式・乾式、単板・多板クラッチを知る

clutch

バイクを操作する上で、クラッチワークには慣れるまでコツが必要です。クルマと比べてバイクはエンジンが小型で比較的高回転。更にレスポンスの良さを実現するためにクランクマス(回転質量)が小さく設計されています。そのため慣性力が小さい特性となり、半クラッチでエンジン回転を一定に保つにはコツが必要となります。特に低速トルクが小さいので、そもそもスムーズに半クラッチでつなぐこと自体が難しいわけです。

 

ギヤチェンジの場合でも、アクセルを戻してクラッチを切るとすぐにエンジン回転が落ちてしまいますから。素早く円滑にクラッチをつなぐには、「クラッチを切ってシフトアップ、そしてアクセルを開けながらクラッチをリリース」という一連の流れを、的確かつスピーディーに身体に浸み込ませることです。

 

次に、クラッチの構造について見ていきましょう。バイクは、クルマと同じような乾式単板タイプ(BMWなど)も少しはありますが、そのほとんどが湿式か乾式の「多板タイプ」になります。

 

ちょっと専門的な話しになりますが、多板クラッチというのは、エンジン側から1次減速ギヤを介して伝わるフリクションプレートと、それを受けてミッション側へ駆動力を伝えるクラッチプレートを何枚かに重ね分散して使うもの。そしてこれはクラッチを小径化して、エンジンをコンパクトに収めることが出来るわけです。

 

湿式、乾式の違いですが、湿式はエンジンオイルやギヤオイルにこのクラッチユニットを浸すことで耐久性や冷却性の向上をはかります。一方、乾式はそのオイル抵抗を排除して文字通りドライな状態で使うものです。若干コストは高めですがオイル抵抗がないのでパワーロスを低減して、放熱性にも優れるためクラッチ切れの不安定感を払拭。一般的にレーシングマシンなどに多く用いられるのはこうした理由からです。

 

バイクのクラッチユニットは低速トルクが小さい設計のタイプが大半ですので、半クラッチを多用する前提の構造となっています。いち早くコツをつかみ、効率の良い走りを実現しましょう。

 

 

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