【アクセルワーク】低回転時の加速はアクセル開度を「狭く」

throttling valve

低回転時における「アクセル開度」と「加速」の関係について、テクニカルな面から見てみましょう。エンジンが低回転だと、例えアクセルを目一杯開けたところでなかなか加速してくれません。ちょっと難しく言うと、この反応の悪さは、エンジン内部に空気を吸い込もうとする力の「吸入負圧」や、その吸入流速。キャブレター側の供給混合気のバランスの悪さに起因しているのです。こういうケースではアクセル全開ではなく、半開や1/4程度で開けた方が加速力はグンと上がることがあります。

 

実践的なライディングテクニックとは少し話しがそれますが、上達するには重要なことなのでキャブレターのメカニズムについても理解を深めてもらいます。キャブレターの基本構造というのは、アクセルグリップと連動してキャブレター内で上下に動く「ピストンバルブ」(※スロットルバルブ)。そしてそのピストンに取り付けられた針状の一体パーツで、ガソリンが貯められたフロート室からガソリンを吸い出す「ニードル」とで構成されています。

 

このピストンバルブを上下させて開口面積を変える操作が、エンジン側の吸入負圧や吸入流速に釣り合った混合気の量を調整するわけです。

 

このように、アクセル開度だけに焦点を絞ると、エンジンが低回転になるほどにアクセルは小さく開けた方がバランスしやすくなります。これは中速以上はほぼ関係ないので、自分のバイクがどれぐらいのアクセル開度で低回転数と均衡するのかを、時間があるときに一度確認してみるのをオススメします。

 

→ ポイント

「エンジン回転数」と空気を吸い込もうとする「吸入流速」の関係は、高回転になるほどキャブレター内で上下に動いて空気流量を制御するピストンバルブ(※スロットルバルブ)を大胆に扱えます。逆に中速以下の低回転域になると、アクセル開度は繊細な動きが求められるのです。

 

 

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