【ライディングポジション】腰をずらして片足でべったり停車
一般的にバイクが大きく、シート位置が高すぎる場合は不安になるもの。停車した時に両足のつま先がようやく届く状態では、バランスをちょっと崩しただけでも立ちゴケしてしまいます。とくにバイクの重量がある場合は危険度が違います。つま先がやっと届く上体では車体を支えきれずに立ちゴケは必至。しかもバイクの下敷きになってその重量を下半身で受け止めることになり、ちょっとした怪我では済まない可能性もあります。
そこで覚えて欲しいのが次の動作です。両足のつま先でようやく地面に着くライダーは、シートの上で腰を完全に左へずらします。そして地面にカカトまでしっかりと着く姿勢をとるのです。確かに慣れるまでは、例えつま先だとしても両足で着きたくなる気持ちは分かります。しかし実際は、そんな伸びきった足で地面に足を着いたところでバランスを取る余裕などありません。むしろはっきり言ってしまうと、自ら立ちゴケしやすいポジションを取っているようなものなのです。ですから、自らそんな馬鹿な状況を作るのは止めて、片足でバイクを完全に支えられるポジションを取るのが重要です。また、多くのライダーが誤解しているようですが、この腰を思い切ってずらし、片足で止まる手法は決してカッコ悪いことではありません。むしろバイク歴の長いライダーから見れば逆に、「バイクの特性を理解した柔軟なライダー」に写ることでしょう。
さて、では実際の動作についてです。例えば前方の信号が赤になったら、スピードダウンしながら止まる前に既に腰を左へずらしてしまいます。こうして体勢を整えておけば、停車したときにモタつかず、瞬時に地面にカカトまで着くことが可能になります。そして信号が青に変わりスタートしたら、べったり地面に着けていた左足をステップに載せ、その後に腰をシートの中央へ戻せば良いわけです。
→ ポイント
例えば渋滞時のノロノロ運転。ごく低速で車体がフラつく前に、いつでも止まれるように腰をずらしておけば不安は抑えられます。このように低速域では常に腰を左へずらす習慣をつけてしまうのも手です。
◆【基本操作】他のポイントも合わせてご覧ください◆
◇ 【基本操作】トップ
◇ 【ライディングポジション】座る位置でハンドリングは変わる
◇ 【ライディングポジション】シート前方で低速域のフラつきを払拭
◇ 【ライディングポジション】シート後方で、進路変更の動きをサポート
◇ 【ライディングポジション】身体全体を使いバイクをコントロール
◇ 【ライディングポジション】高速走行の風圧は前傾角を深めて対応
◇ 【ライディングポジション】衝撃は「背筋」と「腰」で吸収する
◇ 【ライディングポジション】腰をずらして片足でべったり停車
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