case.4-3 個性際立つドゥカティの極意

Ducati-yellow

個性が強く、ライダーの間では“じゃじゃ馬”の異名を持つドゥカティ。この独自のキャラクターには二つの大きな要因があると思います。まず一つは、Lツインエンジンならではのフロントに荷重が掛かりにくい重量バランス。そして2つ目は、ある程度の荷重が掛かって初めて変形状態が安定する格子型のトラスフレームによるものです。

 

しかしドゥカティも熟成を重ねて前輪荷重は大きくなっていますし、フレームを構成する各配管もより密になっています。そして剛性が高まるだけではなくて、ひとつの部材が強く突っ張ることなくスムーズに変形しやすくなっているのです。

ちょっと専門的な話になりますが、この格子型のトラスフレームは掛かる応力(※内部に生じる力の大きさ)をパイプの曲げではなく、圧縮や引っ張りで受け止めるというポリシーで設計されています。そのために、ライダーがバイクに掛ける荷重には自ずとメリハリが必要になってくるわけです。

 

Gを武器にリズムを取る

まずコーナー進入時。確実に初期ターンをさせるタイミングを作らないといけないのですが、力まずリラックスしていれば、減速のGで自然とフロントに荷重が移動して、前輪に狙った動きをさせることが出来ます。

 

そしてコーナーに入れば、アクセルを当ててトラクションを掛けてあげます。ここでもリラックスしていれば、身体が受けるわずかな加速Gで荷重はリアに掛かります。同時にフレームもGを受けてリアステア効果が出やすいように歪んでくれるわけです。そのときに、トラクションと共に旋回性が高まっていくえもいわれぬ感覚が分かるはず。それがまた気持ち良いものなのです。

 

国産バイクであればバイクを倒しこみさえすれば簡単に曲がり始めますが、ことドゥカティに関してはもっとリラックスした状態でのリズムが大切ということです。もちろん、リラックスが重要といったところで、荷重コントロールには切れのあるタイミングが必須。コーナー進入時は前方に荷重移動をして、十分に貯めを作ります。そして一気に身体の曲がる側を前方に突き出すイメージでコーナーに飛び込んでいく感じ。それがリラックス状態を維持させることにつながるわけです。言ってしまえば、このリラックスとタイミングの双方が要求される緊張感がドゥカティの魅力であり、核心なのかもしれませんね。

 

【車種別】他のポイントも合わせてご覧ください

 【車種別】トップ
 case.1-1 ネイキッド YAMAHA XJR(KAWASAKIゼファー、HONDA CB、etc)
 case.1-2 スポーツネイキッド KAWASAKI ZRX(FZ1、GSR750、etc)
 case.2-1 スーパースポーツ SUZUKI GSX-R(YZF-R1、CBR1000RR、etc)
 case.2-2 【テクニック1】 スーパースポーツで下りコーナーを曲がる
 case.2-3 【テクニック2】 スーパースポーツで上りS字コーナーを曲がる
 case.2-4 【テクニック3&4】 リアブレーキでバイクのバランスをコントロール
 case.2-5 【テクニック5&6】 下半身で荷重をコントロール
 case.3-1 旧車 KAWASAKI Z1(HONDA CB750、HONDA CBX、etc)
 case.3-2 旧車には特有の乗り方がある
 case.3-3 旧車バイクの実践的な走り方を学ぶ
 case.3-4 旧車バイクで下りの中速コーナーをこなす
 リアブレーキを使い、下りコーナーをこなす
 case.3-5 苦手な人の多い、右コーナーのヘアピンを走るコツ
 case.3-6 旧車を走らすための5つのライディングフォーム
 case.3-7 旧車と楽しく付き合うちょっとしたコツ
 case.3-8 旧車はバンク角が少ないことを忘れずに
 case.4-1 外車バイク Ducati、BMW、MotoGuzzi
 case.4-2 外車バイクを乗りこなすポイント
 case.4-3 個性際立つドゥカティの極意
 case.4-4 モトグッチとBMW。対照的な縦置きエンジンモデル
 case.5-1 単気筒バイクの奥深き本質
 case.5-2 単気筒バイクはリラックスとエンブレが重要

 


 

Leave a Reply

* が付いている項目は、必須項目です!

*

Trackback URL