case.3-1 旧車 KAWASAKI Z1(HONDA CB750、HONDA CBX、etc)

Z1

この旧車のコーナーで、代表的なモデルとして取り上げたのがKAWASAKI Z1です。もちろんこのバイク1台で旧車のなんたるかを語るには無理があります。でも、カワサキZがこれ以降のバイクに大きな影響を与えたことは事実で、他のバイクにも共通していることが多いため、ここでは便宜上Z1を例に挙げさせて頂きます。

 

まず旧車と呼ばれる1970年代のバイクを見ると、現代のバイクとは多くの箇所で違っている点が目に入ります。フレームや足回り全体の剛性は低く、前後タイヤは大径のバイアスタイヤ(※ラジアルタイヤに比べてタイヤの接地面が安定していない)で細いのが特徴です。

 

タイヤのグリップを懸念する声もありますが、これはラジアルタイヤの高性能な謳い文句ばかりを聞いているからで、結果的にバイアスの細いタイヤは路面に中々食いつかないと思い込んでしまっているのです。確かにラジアルに比べると絶対グリップは劣りますが、サーキットではなくワインディングで心置きなく走る程度なら十分なグリップ力を保持しています。タイヤは幅や太さでグリップするものではないということを頭に入れておきましょう。

 

 

ジャイロ効果による高速時の違和感

ハンドリングに関しては軽快で素直ですが、サーキットなどでは高速域で安定性が少し足りない傾向にあると言われています。これは低速での運動性能を重視したがために生じてしまった欠点です。一方でフロントの大径タイヤは高速で大きなジャイロ効果(※自転により姿勢が崩れにくくなる現象)を発揮。そのため高速では車体は軽快に動こうとしているのに大きなジャイロが邪魔をしてしまうという、違和感のあるフィーリングになってしまいます。つまり今のバイクと比べると、高速での走行にはさほど秀でていないわけですね。がしかし、低速での俊敏さと軽快さには素晴らしいものがあります。高い重心位置や細いタイヤ、しなやかなフレーム、アップライトなライディングポジションといった要素が低速時の軽快なハンドリングに貢献しているのです。

 

こうしたことをまとめますと、条件は限定されますが、旧車は現代の交通事情においても十分な運動性能を持っています。そしてこのポテンシャルを上手く発揮させればワインディングでも速く走ることが出来るわけですね。

 

【車種別】他のポイントも合わせてご覧ください

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 case.3-1 旧車 KAWASAKI Z1(HONDA CB750、HONDA CBX、etc)
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