ワイドタイヤではリーンインのポジションで

2014年7月5日 Category - 抜重のポイント Comment : 0

ここまでは、乗り手の荷重を真下や斜めから掛けたときの状況についてそれぞれ見てきました。そして、走行時はこの荷重のかけ方の他に、もうひとつ意識しておかなければならないポイントがあります。それは、タイヤのキャラクター。つまり形状です。最近のバイクには低重心のタイプが多く見受けられますが、それにプラスしてロープロファイル（扁平率の低い）でワイドなタイヤの場合は注意が必要となります。

 

どういうことかと言うと、扁平率が低いロープロファイルで太いタイヤを装着した車体で走ると、自分のイメージ通りの挙動をバイクがしてくれないのです。例えば、リーンウィズのポジションでそのまま車体をバンクさせていくと、本人が気付かないうちに実際は、リーンアウト気味のライディングになってしまっているのです。

 

イラストのように低重心の車体と、ワイドでロープロファイルなタイヤとのセットアップの場合、リーンウィズの姿勢でバイクをバンクさせても実際のところはタイヤのバンク角ほど車体は傾斜していないということを知っておきます。要は、見た目の傾斜に反してターンのためのバンク角をキープ出来ないわけです。

 

 

意識してイン側に寄せる

ですから、こうした特徴を持つタイヤで走るときは、ライダーが意識的にイン側にシフトする必要があります。こうすることで、全体の重心も自然と内側に移動しますので、タイヤのバンク角をそのままターンに連動させることが出来るのです。

 

ここであくまでもリーンウィズにこだわり曲がっていくと、外側から力のかかるリーンアウト同様の負荷がかかっているようなフィーリングを受けるはずです。ですから、低重心でワイドなタイヤを装着したバイクで走るときのライディングポジションは、バンクさせる際にわずかにリーンインさせるコツを覚えておきましょう。

 

 

◆【応用テク】他のポイントも合わせてご覧ください◆

◇　【応用テク】トップ

 

応用テクニックのワインディング
◇　連続カーブではブレーキングをタイトに
◇　Ｓ字コーナーを直線的に走る
◇　安全マージンを確保したライディング
◇　コーナーリングの具体例を見る
◇　ワインディングではリズミカルに走る
◇　コーナーリングでリズムを崩しても焦らずに対処する
◇　リズムが崩れても減速区間を効果的に使う
◇　複合コーナーは十分な減速で対処する
◇　パニック時は停止せず減速に徹する

 

スリップの対処法
◇　タイヤは滑り続けていることを理解しスリップに対処する
◇　スリップを回避するコツを見る
◇　スピードに比例して慣性力と安定感がアップ
◇　バンク角とグリップ力をバランスさせて安定感を増す
◇　安定感を保つには腰を内側へ

 

抜重のポイントを押さえる
◇　トレッドにかかる荷重はライディングポジションがポイント
◇　リーンウィズを軸に臨機応変に対応する
◇　状況に応じてリーンアウトでコーナーリング
◇　ワイドタイヤではリーンインのポジションで
◇　低重心、ワイドなロープロファイルタイヤでのライディング
◇　抜重でスリップを回避
◇　抜重の準備を前もってしておく

 

 

作成者 : ROCK 'N' ROLL